がんの部位別にみたPET検査の有用性


がん早期発見のための部位別にみたPET検診の有用性

各がんのPET検診の有用性と、最初に行うのに適した画像診断を示します。
有用性については、A:高い B:やや高い C:高くないの3段階で示しています。

脳腫瘍

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  MRI検査

 脳は、活動が盛んな臓器なので、FDGが集まりやすい場所です。そのため、がんのある場所によってPET検査の検出能 に差が出ます。 また、悪性度の低いがんはFDGが集積しにくいため、がんがあっても見つからない(偽陰性)こともあります。
 一方、他の画像検査機器では、MRIが脳を精密に画像化するのを得意としています。



甲状腺がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  超音波検査

 PET検査でもっとも発見頻度の高いがんです。 その理由は2つあります。 まず、甲状腺という臓器が、体の表面側に 近い場所に位置し、画像検査で見えやすいことがあげられます。 また、甲状腺がんの多くが、PETの得意とするタイプの がんである扁平上皮がんであることも大きな理由です。



食道がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  内視鏡検査

 FDGが集まりやすいタイプのがんが多いのが特徴です。 良性腫瘍や炎症などにFDGが集積すること(偽陽性)もあまり ありません。 ただし、小さながんや、密度の低いがんではFDGの集積量が少なく、見つけにくいこともあります。



胃・大腸がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  内視鏡検査

 胃や大腸は活動が盛んで、生理的にFDGが集積しやすい臓器です。 そのため、PETでがんを見つけにくい場所でも あります。 一方、MRI、CTについても、胃・大腸がんの発見率は高くなく、それらのがん検診を目的に行うのであれば、 内視鏡検査が最も有効です。



肝臓がん

◆PET検診の有用性   原発がんは  
                転移がんでは 
◆最初に行うのに適した画像検診
               原発がんは 超音波+CT検査、超音波+MRI検査
              転移がんは 超音波+PET検査

 原発がんと転移がんで評価が違うのは、肝がんならではの特徴のせいです。
 原発性の肝がんの場合、高分化型腺がんが多いのが特徴です。 このタイプのがんの特徴は、がん細胞が正常細胞 とよく似ており、正常細胞が備えている、FDGの細胞内への集積を妨げる酵素を含んでいるため、がん細胞にFDGが 集まらず、PETで検出しにくいのです。
 ところが、別の臓器でできたがんが肝臓に転移した場合には、転移したがんにはそうした酵素が含まれていません。  そのため、転移性の肝臓がんの細胞にはFDGがよく集積し、PET検査で発見することが可能なのです。



膵臓がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  MRI検査

 すい臓は身体の深部にあるため、早期発見が難しいがんとされています。 がん発見のための検査法は、まだ確立 されていません。 PET検診についても、他の検査を上回るほどではありません。 というのも、膵がんではFDGが集まり にくいタイプのがん(粘液産生腫瘍)がもっとも多く、PET検診ではそれをキャッチできないからです。 現状では、PETは 検診よりも、むしろ良性の腫瘍(腫瘤形成型膵炎)と、がんとの見分けのために使用されています。



肺がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  PET検査+CT検査

 日本において、がんの種類別の死因で第一位になっているのが肺がんです。 タイプにもよりますが、進行した肺がんの 予後は悪いため、早期発見が課題となっています。 PET検査では、甲状腺がんに次いで多く発見されているのが肺がん で、早期発見の切り札として期待されています。
 肺がんでは、PETで発見しにくい正常細胞とあまり動態が変わらないタイプのがん(高分化型腺がん)が少なく、FDGも 集まりやすい傾向があります。 そのため、PET検査でキャッチしやすいのです。 また、全身を一度で検査できるため、 リンパ節など別の場所に転移したがんも同時に発見することが可能です。 肺がんの早期発見においては、PET検査の 意義は大きいといっていいでしょう。



乳がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  超音波+マンモグラフィー

 乳がんは、正常細胞と見かけがあまり変わらず、FDGが集積しにくいタイプのがんの発生が多いのが特徴です。 それ 以外のタイプの乳がんでは、FDGも集積しやすいのですが、こうした不得意分野があることを考慮すると、PET検診の 有用性はやや落ちます。
 乳がん検診には、超音波検査とマンモグラフィーという、すでに有効性が確立された検診方法があるので、そちらを 選択したほうがいいでしょう。



子宮・卵巣がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  MRI検査

 子宮がんは、子宮体がんと子宮頸がんに分類されます。 PETは、子宮体・頸がんともに捉えることができます。  特に子宮体がんでは、他に身体への負担が少ない有効な検診方法がないため、PET検診は有用です。
 卵巣がんについても、PET検診の有効性は報告されています。 また、子宮・卵巣がんともに、リンパ節や離れた位置 にある臓器への転移の有無も同時に見られる点で、PET検診はすぐれているといっていいでしょう。
 ただし、検診への使用という意味では、良性の腫瘍などがん以外の病巣もはっきりと描き出せるMRIが第一選択と なります。



前立腺がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  MRI検査

 前立腺がんでは、FDGが集積しにくいタイプのがん(高分化型腺がん)がもっとも多いため、PET検診での発見率は 低いとされています。 しかし、他のタイプのがんについてはPET検診で見つかることもあります。



悪性リンパ腫

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  PET検査

 悪性リンパ腫にはFDGが非常に集まりやすいうえ、がん発見の妨げとなる生理的な集積がないので、PET検診は有用 です。 それに対して他の画像検査では、濃度のコントラストがつきにくいため、悪性リンパ腫は見つけにくい傾向があります。



腎臓がん・膀胱がん

◆PET検診の有用性         
◆最初に行うのに適した画像検診  超音波+MRI検査

 腎臓や膀胱には、尿中に排泄されたFDGが集中します。 そのため、がんによるFDGの集積が見つかりにくい場所です。





Copyright© 2007- ogaru.net All Rights Reserved.

トップページ PET検査の仕組み PETでがん検診の仕組み FDG-PETの利点 FDG-PETの弱点 PETの上手な活用法 がん部位別にみたPET有用性 PETでわかる他の病気 PET検査料はなぜ高い PET検査・検診の体験 PET検査・検診Q&A
スポンサードリンク